【工業社会型のマーケティングに相反する経験価値】

 「経験価値」と呼ばれる価値は、工業社会的なマーケティングが志向してきた機能的・利便的な価値に対して、情緒的、精神的な価値であり、社会や文化の中に暗黙的なカタチで埋め込まれています。

現代社会においては、価値が生まれる源泉は川上(企業)や川下(消費者)ではなく、社会や文化という「流域」にあるのです。

したがって、経験価値のマーケティングを実践するということは、そうした社会や文化から生まれた種を大事に育て上げ、豊かな流域を形成していくことに他なりません。

 工業社会型のマーケティングでは、厳しい市場の競争環境の中で自社が競争優位を取り、自社(ブランド)のシェアを拡大していくという目標が組織員によって共有されています。

そうした目標意識を支えているのは、戦略やターゲット、シェア、勝った負けたというような言葉遣いの背後にある「戦い」のメタファ(比喩)です。

組織内の人々は暗黙裡に自分の仕事を「戦い」や「戦争」のようなものとして捉えていることになります。

そして、その結果として、軍隊のような縦型のピラミッド組織が志向されます。

効率を志向するなら軍隊のような無駄のない組織は理想的です。

しかし、それは目標がしっかり決まっていて、あとはどうやって「全社一丸体制」を作るかということが問題になる場合においてです。 Tagged


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